女性に多いめまい

全受診者7,751名で女性は男性の2.11倍です。一見、めまいは男性より女性がかかりやすく思えますが、女性の方が男性よりも症状に敏感で、医療施設をより多く受診した結果と見るべきでしょう。全疾患で患者数の女性/男性の比を調べ、全体の比2.11より高い疾患は、心因性めまい(6.0)、起立性調節障害(4.1)、下船病(4.0)、低音障害型感音難聴(2.4)、良性発作性頭位めまい症(2.35)でした。メニエール病も男性よりは女性に多いのですが、この比は1.47で、全体の値2.11より低い値です。

女性受診者5,260名の疾患内訳(2006.5-2015.9)
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低音障害型感音難聴はめまいの病気ではありませんが、耳の症状はメニエール病にそっくりで、より軽症型とみることができます。本疾患の70.8%が女性です。年齢は20代から70代におよび、特定の世代に集中する傾向はありません。症状は一側あるいは両側の耳のつまった感じや圧迫感、耳鳴り、中低音部の難聴などです。ある日突然おこり、多くは数日あるいは数週で軽快します。一般にメニエール病よりも治りやすいのですが、なかには軽快と再発をくり返すうちに、難聴が進む例や、めまいを発症しメニエール病に移行する例も珍しくありません。

低音障害型難聴の病因は、メニエール病と同様に定説はありませんが、興味深い資料があります。低音障害とメニエール病の患者さまの割合を、罹病期間別に調べたことがあります。罹病期間が長くなるにしたがい、低音障害の割合は減少し、メニエール病の割合が増加します。またアンケート調査から、メニエール病患者さまは我慢や熱中行動が強いのですが、低音障害の患者さまはその程度が弱く、我慢行動よりも時間に追われる行動の強い傾向がみられます。これらより、低音障害はメニエール病の軽症型と考えられます。しかし、浮遊耳石症(良性発作性頭位めまい症を含む)の一部に、めまいを欠き、検査で低音障害を示す例が少なからずあり、鑑別は必ずしみ容易でありません。

罹病期間別の低音障害型難聴とメニエール病の患者割合
(2006.5-2008.4)
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起立性調節障害(低血圧)は当センターで、7,751名中97名1.3 %にすぎませんが、80.4 %が女性です。年齢は10代から50代におよびますが、10代と20代で全体の半数以上を占めます。症状は浮動性めまい、疲労感、長く立つと気分不快になる、頭痛などです。不眠症や短い睡眠時間で症状が強くなる傾向があります。病気というよりも体質的なものですが、体調管理に気をつけ、有酸素運動を規則的に実践すると、症状が軽快します。

更年期の女性は冷や汗やほてり(ホットフラッシュ)、動悸、めまい、イライラ、気分の落ち込み、不眠、肩こり、頭痛など、さまざまな症状を訴えます。当センターにも、更年期の女性は多数受診しますが、最終的に更年期障害がめまいの原因、と診断された例はほとんどありません。しかし、閉経期のホルモンの不安定による動悸やイライラ、不眠が、めまいを強める可能性は十分にあるでしょう。

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